2026年6月19日(金)〜6月28日(日)に開催されている「ジェフリー・バワ展 ―トロピカル・モダニズムの家具―」。代々木の2会場、51% Tokyo と FRONT 11201 を巡る、完全予約制の展覧会です。

展示会の開催が公表された日の夜、予約を申し込もうとしたときにはすでに満枠で、キャンセル待ちをしていました。それが開催当日の午前中、いくつかキャンセルが出たところを拾えたのです。
(現時点でも満枠ではありますが、意外とキャンセルは出るんじゃないかなと思うので、予約がまだの方はぜひキャンセル待ちで登録してみてくださいね。)

最初の会場は51% Tokyo。扉を開くと小さなワンルーム空間に、チェアを中心にバワの家具が並べられています。どのチェアも座ることができるので、しっかりと自分のお尻で座り心地を確かめることができ、一人テンションを上げながら冷静を装い鑑賞しました。ここに展示されている家具は全て購入ができます。

今回の展示の主役であるジェフリー・バワは、スリランカを代表する建築家です。元々弁護士として働いていましたが、30代の時にロンドンで建築を学び、建築家に転身するという異色の経歴があります。スリランカに戻ってからは、自国の気候・風土・文化と西洋のモダニズムを融合させた独自のスタイルを確立しました。

バワの家具は、脚のターニング装飾や無垢の木の重みなど、東南アジアの民芸的な手仕事の温かさと、モダンな曲線が同居していて、懐かしいのにどこか新しく感じます。彼の建築は写真でしか見たことがありませんが、まさにその空気をそのまま閉じ込めたような家具だと感じました。

東南アジアの伝統的技法であるバティック染めの試作生地も展示されていました。バワが家具のパーツとして使おうと試作したもののようです。滲みやひびのような有機的な線が残っていて、これもまた手仕事の温かみがあります。

そしてチェアもさることながら、照明にも魅了されました。花びらのように重なる白いランタン。そしてもう一つ、屋根のような三角の傘の下に置かれたアートピースを照らす、不思議な構造のライト。これは照明そのものが主役ではなく、何かを照らすための装置として作られています。バワが自分のコレクションをどう見せたかったか、その視線が伝わってくるようでした。

二つ目の会場は、また違う空気を感じました。天井の高いコンクリートの躯体、白い壁にブロックチェックのソファ(No.11 Sofa)、一枚板のベンチ、石のオットマンなど自然素材をありのままに使用しており、雄大な自然の中にいるようにさえ感じました。

ちなみにNo.11 Sofaは自邸のためにデザインされたソファとのこと。自邸の住所が11番地だったことから、No.11 Sofaと名付けられたそうです。

そしてこの一枚板のベンチは、捨てられていた木に美しさを見出し、着想を得てこのベンチをデザインしたそう。この小さな空間から雄大な自然を感じられるのは、自然そのものの美しさをそのまま家具にしているからかもしれません。

また目を引いたのが、細いアルミのリブを束ねたようなKandalama Lounge Chair。波が固まったような造形で、座面から脚まで切れ目なく流れていきます。彫刻のような椅子です。そしてここにも新作の照明があり、やはりアートを照らすための装置として置かれていました。

一会場目が「手仕事と親密さ」だとしたら、二会場目は「彫刻的な大胆さ」。同じ建築家の家具なのに、こんなに違う表情を見せるのかと驚きです。


ジェフリー・バワ展 ートロピカル・モダニズムの家具ー

会期:2026年6月19日(金)〜28日(日)
時間:11:00〜20:00(最終入場19:00)
完全予約制(予約なしは入場不可)
会場:51% Tokyo(渋谷区代々木5-67-2 1F)/FRONT 11201(渋谷区元代々木町4-5 CREATEUR B1F)